ヘアカラーでご希望の色にしたい場合、基本的にはカラーチャートとなる色見本を参考に、近い色のカラー剤を選択するのですが、
現実同じ様に発色するかと言うとそうでもなかったりしますよね?
実際、カラーチャートで使用されている髪の毛は人間のものでは無いことが多く、
ヤクと言われる動物の毛だったりします。
それはそれで、問題ないのですが、カラーチャートの毛束は小さく、それでいて白い台紙に張り付いているので光を受ける面積が少ないんですよね。
人間の頭の面積からしたら、ほんの僅かな毛束程度しかありませんから、受ける光の量や面積からしたら想像以上の明るさに仕上がることもあります。
もちろん、それぞれ美容室等の方針やスタイリストの考え方はそれぞれで、カラーチャート自体参考にならないと言うことでオープンにお客様に見てもらわない様にしている所も多々あります。先程言ったように参考になりにくいですからね…。
肌色に似合わせや、ヘアデザインに似合わせ、バランスや職業流行などそれぞれの要望から、希望色を選択する場合。
これはこれで技術者としての現在オーソドックスな提案かもしれません。
と言うことで、本題はここから。
希望色と言っても、暗めから明るめまで様々で、そこに色を乗せたいと言う事になると、初めに重要なのは地毛の色の明るさ。
例えてるならば、白い画用紙と黒い画用紙に同じ濃さの同じ色の青色を絵具で書いた場合鮮明に「青色」を認識出来るのは当然白い画用紙に書いた方になりますよね。
地毛が暗ければ(黒ければ)解りヅライ。
色味によって少しは違いますが、黒い画用紙に塗って鮮明なのは白色くらいになります。
カラーデザインで言うところの、ハイライトやメッシュがこれに当たるかもしれませんね。地毛が暗ければ暗いほどブリーチだけで明るくすれば鮮明に立体的に見栄えしますから。
ただ、黒髪(地毛)と言っても千差万別。
人それぞれに元々の黒髪の状態が違うんです。太くて固くてしっかりした髪の毛の人と、柔らかく、細い人等様々な髪質があるように、一見黒くみえる髪の毛も、黒を構成している黒の量に左右されたり、さらには、キューティクルの厚みにも左右されてしまいます。
黒い→赤茶→茶→黄色→白っぽい黄色→白っぽい黄色→白
この黒い色素の抜ける順番のスタートラインが人によって様々。
一気に黄色に抜ける方もいれば、なかなか赤茶から抜け出せない方もいます。
そうなると、ブリーチ(脱色)の回数を増やすと言う手段になってしまうのですが、実際問題ダメージが大きいのも事実です。
また、ブリーチで髪の毛本来の黒(メラニン色素と言う)を抜く作業をした直後に、希望の染料を入れ込もうとしても、目には見えない脱色力が残存していると、せっかく入れ込んだ色味が抜けやすくなるというデメリットもあります。
通常のアルカリカラーは、メラニン色素を破壊しつつ(黒色味を壊しつつ)その一方で、色味を入れ込んで行くと言う同時作業を行っているので、初めの脱色作用が髪の毛に大して負けてしまうとなかなか難しいことになります。
あくまで、標準毛が基準のブリーチパワーなので。
その分比較的単体でのブリーチより優しいですが。
このブリーチ力と比例して、髪の毛本来に持っている赤みが消え、もしくは、黄味等が希望色も重なり合うことでしあがりに影響します。
赤みが残っていて、アッシュ系統の色味が入ると緑っぽくなったり、黄味が残っていてピンク系統が入ってしまうとオレンジっぽくなったりしてしまうわけです。
もちろん、これらを消して、希望色に近づけるためには
補色
と言うテクニックを使用するのですが、その話はまた次回に。
ダメージ軽減しながら、希望色を望まれる方へ一番お奨めなのが、同じ色味を約2ヶ月以内に取り込む方法です。
一気に希望色を求めるのと違い、多少時間はかかりますが、髪の毛への負担は少なく、前回入れて抜けた所への色味の補充となるので、回数が増えれば増えるほど明るく綺麗な発色を可能にします。
逆に、短期間で色味のチェンジが危険…ですね。
色が抜けたと思った所でも、必ず微量な前回入れている染料は残存していますので、必ずトナーと言う1工程入れない限り濁ります…。
と言ったわけで、カラーひとつ希望色目指すだけでも前途多々あるわけなので、是非ご理解の程を…。
先程も書きましたが、なるべく色味は同一同系統で、徐々に明るくがおすすめです(*^^*)
参考迄に…。
白に近いほど入れた色味はハッキリと分かります。
ちなみに、こちらはヘアマニキュアなので、今回書いているアルカリカラーの作用とは異なりますが、ベースを作るアンダートーンに燗しては大体こんなイメージもってもらうと良いかもです。
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